秋田魁新報社 (あきたさきがけしんぽうしゃ)は、1874 年に設立された東北地方で最も長い歴史を持つ地方新聞社です。ウェブ上では、さきがけ on The Web で秋田県の最新情報を配信しています。1998 年 2 月に設立されたサイトは 2013 年 9 月現在、25 万ユーザーが訪れ、月間 500 万ページビューを記録しています。


 さきがけ on The Web は 2005 年に AdSense を導入し、現在ではウェブサイトの収益の半分以上が AdSense によるものです。AdSense の導入を検討した経緯、導入後から現在に至までのエピソードや、AdSense を導入したことによるメリットについて、秋田魁新報社 編集局ビジュアル報道センターメディア部 細谷 照男氏にお話を伺いました。




まずは「お試し」の気持ちで導入を決めました。


 2005 年、さきがけ on The Web の認知度が少しずつ上がってきた頃、サイトの収益化の検討を始めました。他のアドネットワークを使ってみたものの、期待していた収益額を得ることができず、より効率の良い収益化の方法を探していました。そんな時に Google AdSense を知り、他の新聞社も導入していたので、私達もまず「お試し」の気持ちで導入を決めました。


「何の広告がいつ掲載されるかわからない」
という仕組みに不安はありました。


 AdSense による広告配信の場合、「何の広告がいつ掲載されるかわからない」という仕組みを新聞社として経験したことがなく、不安はありました。新聞社ですと、これまでは純広告による収益がメインで、どの広告が掲載されるかあらかじめ知ることができます。 当時の私達にとってはアドネットワークそのものが、これまでの広告配信とは全く違う発想でした。




AdSense によって配信された広告を見た営業幹部に
「この広告は君たちが集めたのか?」と聞かれ、
「いいえ、自動的に配信されています」と答えました。


 最初は「一体、どうやって AdSense で収益を得ているのか」と前例のないことに社内で驚きもありました。ある広告がサイトに掲載されたとき、営業幹部に「この広告は君たちが集めたのか」と言われました。「いえ、自動的に配信されています」と伝えましたが、これまで広告を出す際には本社の営業や、広告代理店を通していたのに、そうではない広告が出ていることが理解できなかったようです。AdSense は世界中の広告主が出稿していることや、表示された広告がクリックされた分だけお金を支払っていただけるものと皆に理解してもらうため説明したことを今でも覚えています。

AdSense によって配信される広告で、
これまで大きな問題にまで至ったことはありません。


 新聞社としての広告の厳しい掲載基準を持っており、それに準拠して掲載をしています。基準と合致しない広告は、URL、業種やカテゴリー等、広告のブロックで対応するようにしています。最初の頃は、フィルタリングでブロックしたい広告が抜けてしまっていると社内から指摘を受けることはありましたが、これまで大きな問題にまで至っていませんし、今はそういった問題が起きることはないです。


株式会社 秋田魁新報社
(右から)細谷 照男氏、加藤 卓哉氏、鈴木 淳氏、竹内 和樹氏

純広告の配信は、DFP を利用しています。
Google AdSense との親和性が高く、
使い始めたら便利です。
 

 純広告の配信は DFP スタンダードを利用しています。一度慣れてしまえば、大変便利です。細かく配信設定もできますし、時間指定で事前に広告をセットでき、その時間になると配信が開始されます。広告枠や期間の指定等、広告運用がしやすく、非常に良いアドサーバーだと思います。


最初は管理画面に慣れず、
配信レポートを出すのに時間がかかっていましたが、
今ではレポートもすぐに出すことができます。


「広告ユニット」「プレースメント」「オーダー」「在庫」のそれぞれの区別や使い方が難しく感じました。当時はまだネット広告の専門用語に慣れていなかったこともあり、単語から機能が連想されにくく、どう使い分けるのかがわかりにくかったです。入稿管理やレポートを作ったりもしていますが、最初は管理画面に慣れず、配信レポートを出すのに時間がかかっていましたが、今ではレポートもすぐに出すことができるようになり、大変便利です。


DFP を使っているからこそ、弊社のような少ない人数でも
広告を管理できているのだと思います。
広告管理も非常に効率的になりました。


 これまでは、アドサーバーを本格的に導入したことがなかったので、広告掲載のスケジュールを立てることすらできませんでした。午前 0 時に掲載開始と終了の作業をすることも多かったです。AdSense の空き枠を最大限に有効活用することもできませんでした。 DFP スタンダードを使うことで、スケジュールを組めるだけでなく、インプレッションやクリックを一元管理することができ、非常に効率的になりました。もし社内で広告を管理を行うとしたら、非効率な人員態勢が必要となってしまうため、限られた機能しか広告主様に提供できなかったかと思います。


現在では、全体の収益の 6 割が AdSense によるものです。


 AdSense は今ではウェブサイトの収益の最も大きな柱となっています。全体の収益の 6 割が AdSense によるものです。運用に関しても最初は、フィルターの設定やチャネルの設定など収益の動きがみえやすくするために、時間がかかりました。しかし、現在は安定しているので手をかけていることはありません。


AdSense は広告コードを貼るだけ…
まずはチャレンジしてみることをおすすめします。


 Google AdSense はどうですか?とよく聞かれますが、いつもまずはやってみては?とお勧めしています。私達が AdSense を始めたときも「お試し」としてスタートしました。特に企業の方へですが、「お試し」ですと社内的にも理解されやすいです。自社のウェブサイトに合うか、合わないかはやってみないとわかりません。実際に導入してみて、効果が出なければすぐにでも止めることもできます。一方で、「お試し」として導入してみて収益になると嬉しいですし、配置を少し変えるだけで、収益に大きな変化が見られる場合もあります。AdSense は貼り付けるだけですから…、まずはチャレンジしてみることをおすすめします。

【関連リンク】
誰でも使える DFP スタンダードガイド
日本のサイト運営者様が AdSense を選ぶ理由とは?

Posted by 松村 吏司 - AdSense チーム

2013 年 10 月 9 日