2011 年 8 月 2 日
ラベル:システムメンテナンス

Google AdSense では月ごとの定期メンテナンスを行っています。今回は、このシステム メンテナンスの間にどのような作業が行われているのか、またこの作業によってどんな影響が出るのかについて、エンジニアの Curtis よりご説明します。


すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、メンテナンスでは、広告配信に影響が出ることはなく、収益も通常どおりトラッキングされます。この仕組みをご説明します。

まず、あるユーザーがサイト運営者様のサイトにアクセスすると、Google の多数の広告サーバーの 1 つがページに表示する広告を決定し、お客様のサイトにそうした広告が配信された事実が記録されます。Google では、この情報を使用して、サイトにアクセスしたユーザーによって発生した広告の表示回数を算出しています。同様に、こうして配信された広告に対するクリックも、別の広告サーバーによってすべて記録されます。これらのサーバーはそれぞれが独立して稼働しているため、アップグレードの際は、広告配信全体または内部ログに影響を及ぼさないよう、一部の広告サーバーのみを対象に更新作業を行うことが可能となっています。

ただし、レポート機能に関しては別の問題が出てくるため、メンテナンス期間中はアカウントにアクセスすることはできません。広告サーバーによって記録される統計情報は、直ちにレポートに反映されるわけではありません。こうした統計情報は、まず 1 か所で収集、集計されてから、その後に広告の表示回数、クリック数、収益に関する単一の概略がまとめられるようになっているためです。Google では、サイト運営者様お一人お一人について、24 時間体制で多数のサーバーからこのデータを収集、集計しており、通常は 15~30 分ごとにレポートの統計情報を最新のものに更新しています。

Google のソフトウェア アップグレードの大半は、大きな影響を及ぼすことなく 1 か月を通じて実行されますが、一部のレポート機能のアップグレードでは、複雑な処理を要します。月ごとのメンテナンスを行う際は、こうした大規模なアップグレードを行うために、レポート関連のデータ収集を一時的に停止させていただく場合があります。これは、データベースのアップグレード、新機能に対するシステムの準備、そしてこのような複雑なシステムを円滑に稼働させるために必要な作業を行うための処置です。

メンテナンス終了後、表示回数やクリック数の数値が低いと感じ、メンテナンスによって収益に影響するデータに変更が加えられたのでは、と懸念される方もいらっしゃるかもしれません。ですがそのようなことはありません。この誤差は実際にはレポート機能のアップグレードに伴う結果として現れるものであり、メンテナンス期間中は統計情報の集計が一時停止されることに起因しています。メンテナンスが終了すると、その間に蓄積された表示回数やクリック数のログはレポート システムによってすべて集計され、多数のデータが確保されます。このログの処理には多少時間がかかりますが、集計が終わり次第、メンテナンス期間中に発生した表示回数やクリック数、収益はすべてレポートに反映されるのでご安心ください。レポートの統計情報に疑問な点がある場合は、レポートの更新を随時チェックすることをおすすめします。

今回の説明により、メンテナンス期間中の作業についてご理解を深めていただければ幸いです。エンジニアである私は休日をつぶして作業しなければならないこともありますが、統計情報の精度を保ち、お客様に AdSense をストレスなくご利用いただくための努力は惜しみません。そんな日は、他のエンジニアに気兼ねすることなくオフィスで 80 年代のポップスを思う存分歌えるチャンスでもあるので、そう悪くはありません。

Written by Curtis Light - AdSense ソフトウェア エンジニア


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