株式会社時事通信社(以下、時事通信社)は、1997 年に PC 版ニュースサイト「時事ドットコム」を立ち上げました。以降、国内ネット市場の変化に伴い、モバイル版スマートフォン版の「時事通信ニュース」を立ち上げ、現在 3 つ全てのサイトに AdSense を導入しています。

現在は、スマートフォン戦略に注力しているという同社に、これまでの経緯と収益アップの工夫を伺いました。


ユーザー課金型モデルから広告モデルへ
旧来通信社は特定のメディアを持たずに、新聞社や企業、自治体などにニュースを配信するビジネスを展開していました。

ところがインターネットの登場により、メディアのあり方や情報伝達の方法が一変。時事通信社は自前のメディアとしてニュースサイトの運営に乗り出しました。

メディアを持つ意義は、大きく 2 つ。1 つは、ニュースを国民に直接伝えられること。もう 1 つは、収益の手段が増えることです。

「メディアを持った以上、ビジネスとして収益を上げなければいけません。実際に複数の広告配信サービスを導入し、収益と運営の両方で満足できる結果を出せたのがAdSense でした」とデジタルメディア事業本部 本部長 小松俊樹氏は言います。

「モバイル版サイトに AdSense を導入したのは  2008 年 12 月。当初は無料コンテンツでユーザーを集めて有料会員へと誘導するつもりだったのですが、広告収益が想定以上に大きかったため、広告モデルを柱にすえました」(小松氏)。

スマートフォン版サイトへの AdSense 導入は 2009 年 12 月、サイト立ち上げと同時のタイミングでした。

「スマートフォンの急速な普及に伴い、外出先や移動中にニュースを読む人が増えています。その結果、スタートから 2 年で PV は約 4~5 倍に伸びました。スマートフォンのシェアは今後ますます拡大することでしょう。市場が広くなることで、さらに安定した広告収益が見込めるのではないかと期待し、特に力を入れています」(小松氏)。

試行錯誤を繰り返し、安定した収益を実現
スマートフォン版サイトは当初、期待したほど収益は上がりませんでした。

「スマートフォンは新しいデバイスですから、経験則はありません。AdSense 担当からのアドバイスや社内検討案をもとに、記事の下に入れていた広告を見出しの下やメインメニューの下に変更するなど試行錯誤を繰り返し、徐々に収益を上げていきました。

更に、これまでテキスト広告だけだったものにディスプレイ広告を導入したことで、RPM が 4 倍になりました」とデジタルメディア事業本部 営業部モバイル&ソリューションチームの樋代竜也氏は言います。

現在スマートフォン版サイトは PC 版、携帯版とあわせて収益の安定化に一役買っています。

事例全文は以下のリンクからご覧ください。
http://support.google.com/adsense/bin/answer.py?hl=ja&answer=2493351

Posted by 和泉淳子 - ストラテジスト

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