Docstoc は小規模ビジネスの成長をサポートするオンライン サービスとして 2007 年に設立されました。当時は広告が唯一の収益源でしたが、ビジネスの成長と共に同社のビジネス モデルも進化し、現在ではプレミアム会員登録が財源に加わっています。Docstoc の CEO である Jason Nazar 氏に、同社の e コマース ビジネスにおける広告の影響について伺いました。

広告とユーザーに関する実験
登録会員数が増えるにつれ、広告がユーザーの妨げになり、登録に歯止めをかけているのではないかという議論が Docstoc 社内で持ち上がりました。実験とデータを重視する Nazar 氏は、1 日限定でサイト内の広告をすべて取り除き、登録数が伸びるかどうか調べることにしました。

1 日に 60 万人以上の訪問者がある同サービスでは、実験の結果も歴然としていました。広告を削除してもコンバージョン数に大きな影響はなく、はっきりとした登録者数の伸びは見られなかったのです。さらに、サイト滞在時間やユーザー 1 人あたりのページビューといった指標でも向上は見られず、広告がユーザーを遠ざけるという考えは誤りであることが証明されました。

広告と e コマースの両方を展開
ウェブサイトには様々なユーザーがいるため、e コマース ビジネスの運営とサイトへの広告掲載はバランスよく共存できる可能性があるとの結論を Nazar 氏は見出しました。Docstoc の場合、有料でも高品質なコンテンツを入手したいと考えるユーザーもいれば、情報を素早く探したいだけのユーザーもいます。後者に当てはまるユーザーが Docstoc のコンテンツから目的の情報を得られなかった場合に、ユーザーにとって役立つのが、コンテンツにあわせて表示される関連性の高い広告です。これによって Docstoc は、有料会員へのコンバージョンが期待できないユーザーからも収益を得ることができます。AdSense 広告が表示されていても、有料コンテンツ利用の登録には影響しませんでした。「全体的な収益という観点から言えば、広告掲載と e コマースの両方をサイトで展開することに大きなメリットがあるのは明らかです」 (Nazar 氏)

データに基づいた意思決定を
Nazar 氏から他のサイト運営者様へのアドバイスは、サイトで使用するサービスについては常に積極的なテストを行い、主観や思い付きではなく、データに基づいて意思決定を行うことです。「トラフィックの多いコンテンツ サイトを持っているなら、AdSense や同種のサービスはすばらしい収益源となります。見込み顧客の獲得や e コマース、会員登録といったコンバージョンの機会を設けているサイトであっても、広告サービスの使用をやめるのではなく、両者が共存できる方法を模索することで、より多くの収益を上げることができます」

Posted by Yamini Gupta - プロダクト マーケティング マネージャー

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2012 年  6 月 27  日