ユーザー エクスペリエンスの 5 原則 パート 1
Posted:
Friday, November 9, 2012
このシリーズでは、サイト設計において意識するべきユーザー エクスペリエンスの 5 つの原則を、3 回に分けてご紹介します。今回はパート 1 です。これらの原則を適用することは、お客様のサイトを訪れるユーザーに優れた体験を提供するのに役立ちます。
ユーザー エクスペリエンスはサイトの品質を大きく左右します。多くのサイトが類似のサービスを提供する中で、重要なのはより優れた体験の提供によって、ユーザーにサイトの良さをわかってもらうことです。ユーザーがサイトに向ける集中力は限られているので、わずか何秒かのうちに、優れた体験によってユーザーを目的のコンテンツへと誘導しなければなりません。
以下に、サイトを設計する上で重要なヒントと、サイトとユーザー両方の目的を見定める方法をご紹介します。
1. ユーザーの目的に注目する
まず、一歩引いて考えてみましょう。ユーザーに目的を達成してもらい、同時に自分の目的を達成するにはどうすればよいでしょうか?その答えを見つける糸口となるのは、ユーザーの目的とご自身の目的をよく理解し、どのようにすれば双方が噛み合うかを考えることです。サイトが提供するサービスの中で核となる部分や、主な強みについて考えてみましょう。これらは、1 つか 2 つに絞り込むことをおすすめします。サイトの長所はたくさんあるかもしれませんが、真の強みと言える点に注力するのが得策です。たとえば、Google でもサービスや機能を多数提供していますが、情報を求めて Google のホームページにやってきたユーザーに使っていただくべき機能は明らかです。検索バーがページの中心に据えられているのはこのためです。
ヒントと例:
次のような点を確認してみましょう。たとえば IT 関係のニュースサイトであれば、それぞれ次のような答えが考えられるでしょう。
- ユーザーはどのようにしてサイトを見つけるのか?
訪問者のほとんどは検索エンジンからのユーザーで、最初は記事のページにアクセスする - ユーザーは何を探しているか?
ユーザーは検索した記事の内容を探している - ユーザーが求めるものを提供できているか?
リンク先ページで、ページ全面を使って記事を表示している - ユーザーに何を求めるか?
目標はユーザーの関心を保ち、滞在時間と閲覧するコンテンツの量を増やすこと - ユーザーから望ましい反応を引き出すにはどうすればよいか?
よくわからない
難しいのは最後の点 (ユーザーの反応の引きだし方) です。この例で言えば、サイト内に他にも有益なコンテンツがあることをユーザーに対して示し、読み進んでもらうことが必要です。そのためには、各記事の末尾で、関連記事や人気のある記事を提示するといいでしょう。
2. わかりやすいページ構造でユーザーを誘導する
最初にユーザーがアクセスするのがどのページであろうと、わずか何秒かのうちに、最初の画面のスクロールせずに見える範囲でユーザーの注意を引き、どのようなサイトかを印象付ける必要があります。シンプルな階層構造を使用してページに明確な構造を与えることで、ユーザーが迷わないよう導線の設計をし、見せたいコンテンツを強調することができます。
もう一つ注意するべき点は、サイトの情報の構造です。ユーザーは、サイトの情報の構造によって使いやすいページとそうでないページを識別しています。一貫性のあるやり方で、サイトの情報を整理し表示することで、親しみのあるページとしてユーザーに印象付けることができます。ウェブサイトの構造が分かりにくかったり、ユーザーの予期しない構造だったりすると、ユーザーはサイト内で必要な情報を見つけられずに、次に何を見ればいいのかわからなくなります。これはサイトに対する全体的な苛立ちにつながり、ユーザーが立ち去る原因となります。
ヒント:
以下の簡単なヒントをページの構造作りの参考にしましょう。
- コントラスト: ページ上に要素を並置する場合は色、彩度、不透明度を工夫します。
- サイズ: サイズはユーザーの誘導に役立つデザイン要素として、最もシンプルなものの一つです。大きな要素や大胆な要素を積極的に使い、ページ内で最も重要な情報にユーザーの注意を引き付けましょう。
- 配置: 共通性のある要素は、その関連性が伝わるように配置します。
- 空白: 特定の要素の周囲に空白を残せば、その要素に注目してもらうことができ、視覚的にも魅力的なデザインとなります。
- グリッド: シンプルなグリッド(格子)状のレイアウトで要素を配置することで、整然とした構造のページとして印象付けることができます。
例:
ニュースサイトの多くは、階層化による優れた構造を実現しています。最新の記事や重要なニュースが画面内の中心的な位置を占めており、確実に最初に目に止まるようになっています。また、他のセクションの主な見出しも大きく目立つように表示され、流し読みしている場合でも、すばやく簡単に拾い出すことができます。写真や見出しのサイズとコントラストも、ユーザーがページを閲覧するガイドとなるよう工夫されています。
今回のヒントがお役に立ちましたら幸いです。ユーザー エクスペリエンスの 5 原則 パート 2 もどうぞご期待ください。
今回のヒントがお役に立ちましたら幸いです。ユーザー エクスペリエンスの 5 原則 パート 2 もどうぞご期待ください。
関連資料:
Google が提供する無料のサイト分析ツールです。トラフィックを計測し、ユーザーがサイトをどのように利用しているか調べることができます。また、サイトに実験的に変更を加えて、影響を調査することも可能です。
明確な階層構造とサイトマップは、Google のクローラによるコンテンツの発見とランク付けにも役立ちます。
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2012 年 11 月 9 日