メディアアクティブ株式会社のアプリケーション「鬼から電話」は、新しいタイプの子ども向けの教育系アプリです。小さな子どもが言うことを聞かない時に、鬼などのキャラクターから電話がかかってきて、親の代わりに叱ってくれます。広告宣伝を一切せずに、SNS を中心に主に口コミで広がり、2013 年 7 月 1 日現在、累計 300 万ダウンロードを突破し、1 日のアクティブ ユーザーは 12 万人にのぼります。

もともとメディアアクティブ株式会社はウェブ制作を中心に行っているため、このアプリを発表する直前までどのようにアプリを収益化したらいいのか、わからなかったそうです。そこで、収益化を検討する際に国内の様々な広告ネットワークを検討し、検証をした結果、辿り着いたのが「 AdMob メディエーション」機能でした。このアプリの収益源となっている AdMob ならびに AdMob メディエーション機能について、メディアアクティブ株式会社 代表取締役社長 佐々木 孝樹氏にお話をお伺いしました。



■「鬼から電話」、すごい反響ですね。アプリの概要とユーザーの特徴を教えてください。
「鬼から電話」は、子育てをしている親御さんが困るありがちなシチュエーションの中からその場に適したものを選び、選んだシチュエーションに応じて鬼やおばけから仮想電話がかかってきて、親御さんのしつけをサポートしてくれるアプリです。2 歳から 7 歳くらいまでの小さなお子さんのいる主婦層に多くご利用頂いておりますが、子どものしつけに手を焼いている様々な層から反響をいただいております。


メディアアクティブ株式会社
代表取締役社長
佐々木 孝樹氏
■収益化を検討する際、様々な広告ネットワークを検証されたそうですね。その中でAdMob メディエーションを導入した決定要因はなんでしたか?
 様々な広告ネットワークを検証していく中で、各広告ネットワークにはそれぞれの強みがあることに気づきました。そこで各広告ネットワークの強みをうまくアプリ上に反映しながら、配信できる仕組みはないかな、と探していたところ、AdMob メディエーションの導入にたどり着きました。



■メディエーションの導入は難しかったですか?
 特に難しいところはありませんでした。既に AdMob の広告を表示しているアプリの開発者ならば、何も問題なくできると思います。ただ、弊社側で導入時に失敗したのは、欲張って多数の会社の SDK をまとめて同時に新規搭載したため、問題が発生した時にどれが問題を発生させているのか、判断できなくなったことです。アプリの更新時にはまとめて複数でも、搭載する際の作業は一つずつ確実に搭載して行けば良かったと反省しています。

■導入後の効果はいかがですか?
 導入前と導入後を比較すると、クリック数が 3.5 倍に増えました。メディエーションを導入し、表示されるバナーのバリエーションが増えたことによって、クリック数が増える傾向があるようです。1 社だけだと同じバナーの表示される確率がどうしても高くなってしまい、たとえば興味のあるバナー広告でも 1 回クリックしたら 2 回目以降はクリックしないということだと思います。

■メディエーション導入によって運用負荷は軽減しましたか?
 非常に導入してよかったのは、最初に各社 SDK とアダプターを実装しておけば、実際のユーザーの動き(数値)を見ながら、アプリのバージョン アップを行わなくてもすぐに広告の優先度を変更できるところです。以前は広告会社を変更するたびに SDK を入れ替えたり、表示部分のコードを直し、アプリにバージョン アップをかけないといけませんでした。

■アプリ自体の内容以外では、どのような点がユーザーに支持されているとお考えですか?
 鬼から電話をご利用頂いている主婦層は、スマートフォンに関するリテラシーがあまり高くない方も多くいらっしゃいます。そのため、アプリ内にインフォメーションページを設け、操作上の説明、連絡先の電話番号とメール アドレスの全てをアプリ内で公開し、何か困ったことがあればすぐにお問い合わせできるような体制をとっています。


■電話番号まで公開していると、ユーザーは使っていて安心感がありますね。そういうことが口コミにつながっているのでしょうか?
 そうかもしれません。実際に 1 日に 20、30 件程お問い合わせをいただきます。お問い合わせ窓口から「効果抜群でした!」等アプリの感想もいただきます。またお問い合わせ窓口で実は多いのが、「こういうシチュエーションを追加して頂きたい」などの提案や要望が多く寄せられるようになってきました。鬼から電話の新シチュエーションはご利用ユーザー様のご意見とご要望をもとに追加されている状況です。

■最近韓国でも「鬼から電話」を出していますね。今後の海外展開について教えてください。
 韓国でも「鬼から電話」は非常に大きな反響をいただいております。やはりしつけは日本にとどまらず、全世界に共通するものがあるようです。実は、ワールドワイドに対応できるアプリケーションを現在開発中です。これからもより一層皆様の生活に役立つアプリを提供していきたいと思っておりますので、今後もメディアアクティブに注目頂ければと思います。

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Posted by 鹿村恵梨 - Inside AdSense チーム

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