「マルチスクリーン 事例シリーズ」第 3 回目はウェブサイトをレスポンシブ ウェブ デザイン(以下、RWD)に再構築後、ユニークユーザー数が 5 倍にもなった iCook.tw Lawrence Lin 氏に伺いました。

iCook.tw のウェブサイトについて

iCook.tw は、36,000 件以上ものレシピを無料で見ることができる、台湾最大のレシピ共有サイトです。ユーザーは料理の写真を投稿したり、作り方がよくわかるように動画をアップロードして、自家製のレシピや料理のアイデア、レシピに関するコメントなどを共有できます。2011 年に開設してから現在に至るまで iCook の登録者数は 50 万人を超え、月間ユニーク ユーザー数は 170 万人に上っています。

iCook.tw が AdSense を利用するようになったのは 2 年前からです。「iCook ではユーザーに快適にご利用いただけるよう、多種多様なデバイスでの最適化に努めています。現在は、レスポンシブ ウェブデザイン対応の管理が行き届いたウェブサイトを運営しているだけでなく、iPhone、Android 搭載端末やタブレット、iPad、Windows Phone 向けのアプリの提供も行っています。」と iCook.tw 最高執行責任者の Lawrence Lin 氏は述べています。またサイトの最適化に向けマルチスクリーン化に踏み切った理由について、「ユーザーが日頃使い慣れているデバイスを使って、思いのままに料理のレシピやアイデアを探したり共有できるようにしたいという想いが、私たちが AdSense 使用に踏み切った背景にありました。」と説明しました。


RWD 対応のウェブサイトにリニューアルした結果、
ユニーク ユーザー数が 5 倍に増加

 2012 年の春に、iCook ではマルチスクリーン対応の第一歩として、ウェブサイトをレスポンシブ ウェブデザイン(RWD)にリニューアルしました。「その結果、総ユニーク ユーザー数は 1 週間あたり 68,000 人から 350,000 人の 5 倍近く増加しました。モバイルからのトラフィックも大幅に増え、ユニーク ユーザー数は 1 週間あたり 13,000 人から 170,000 人になりました。今では、モバイルからのトラフィックが総トラフィックの 50% 以上を占めています。」



RWD 対応サイトに最適なレイアウトを見つけるための取り組み

 「ウェブサイトを RWD にリニューアルするにあたって難しかった点は、iCook のコンテンツと AdSense 広告の最適なレイアウトを見つけることでした」と Lawrence 氏は振り返ります。iCook チームの限られたマンパワーでは、テストを行って最適なレイアウトを見つけ出すのに時間がかかってしまいます。メンテナンスにかける時間を節約するため、同社は Twitter Bootstrap フレームワークを活用しています。「私たちは早い段階で失敗を経験し、行動を起こすことで失敗から学びます。」と Lawrence 氏は課題を乗り越える秘訣を打ち明けました。


モバイル ユーザーにアプリも提供

iCook.tw では、1 年間状況をじっくり見極めユーザーからの意見や要望を踏まえながら、モバイル ユーザー向けアプリの開発に着手しました。「アプリはウェブサイトとはまったく別です。そのため、開発と運用は別々のチームが担当し、アプリは AdMob で収益化しています。」iCook はアプリをソーシャル ネットワーク上で紹介し、同社のサイトでもダウンロード リンクを共有するなど積極的な宣伝活動を行っています。ユーザーにアプリを試すよう働きかけるとともに、さまざまなデバイスでより快適な利便性を提供できるよう取り組んでいます。


今後について

「どのようなデバイスであっても優れた利便性を提供できるよう、デバイスごとのユーザー行動のトラッキング、分析に力を注いでまいります」と Lawrence 氏は意気込みを語ります。「ウェブサイトの最適化は果てしない取り組みではありますが、方向性としてマルチスクリーン化への対応は最善の選択でした。」





================
レスポンシブ ウェブ デザインに再構築し、ユーザー数を 5 倍にすることに成功した iCook.tw の成功事例はいかがでしたか? 
*尚 iCook.tw の事例は当初の予定とは異なり、順番を変更してお届けしました。

最終回の次回は動的配信でマルチスクリーン対応し、インプレッション収益(RPM)が 20% 向上した「アットトリップ」高橋氏の事例を紹介する予定です。

次回もお楽しみに!