“次世代の出版社” をモットーに、数々のサイトを手がける株式会社イードに、Google AdSense を使った収益化戦略についてお話を伺いました。全 2 回にわたってお届けするシリーズの第 1 弾は、A/B テストについて詳しく教えていただきます。

  • 姜 圭司様:新規事業統轄本部 本部長
  • 渡邊 吉保様:メディア事業本部 メディア事業部 システムエンジニア
  • 三枝 新様:メディア事業本部 システム事業部 Web アナリスト

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  • 自動車関連のニュースを中心に扱うサイト
  • 月間 5,000 万ページビュー
  • 40 代の男性読者が中心

  • IT とエンタメに特化したサイト
  • 月間 2,000 万ページビュー
  • IT 系は 40 代男性が多く、エンタメ系は 20~30 代の男性・女性
  • スマートフォン向けゲーム中心のニュースサイト
  • 月間 1,000 万ページビュー
  • 10~30 代男性中心

  • PC ゲーム・海外のゲームが中心のサイト
  • 月間 800 万ページビュー
  • 年齢層が若い男性

御社のこれまでの歩みを教えてください。
紙の媒体ではなく、インターネットがこれからのメディアの中心になると信じて、イードを設立しました。創業当時は ”次世代の出版社” というキャッチ フレーズをいつも使っており、そこに創業時の想いが表れています。

2000 年に RBB TODAY の運営を開始してから、その後レスポンスインサイドシネマカフェアニメ!アニメ!などのサイトを数々譲り受け、サイトのラインナップが豊富になってきました。弊社では、編集長にも一緒に参画してもらうことを非常に大切にしてきました。サイト設立をしたときの熱い気持ちや経験を活かしつつ、収益化・分析を専任のアナリティクス  チームが請け負うことで、読者の皆様に喜んでもらえるコンテンツ作りに集中してもらえると考えています。一方でリセマムなど、弊社が一から作り上げるサイトも大切にしています。

Google AdSense をどのように活用していますか?
もともとは、純広告の空き枠の収益化を目的として広告ネットワークを使っていましたが、ユーザーに最も適した広告を自動で配信できる広告ネットワークが今後は中心になると判断し、注力し始めました。

2012 年頃は 20 程の広告ネットワークを活用している状況でした。収益が最大化されているか分からなく、管理が煩雑になる問題があったため、広告ネットワークの選定から始めました。その際にパフォーマンスが最も良かったのが Google AdSense だったので、Google AdSense を基準に収益が高い広告ユニットにおいてテストを続けた結果、2 年後にはほとんど全ての広告枠が Google AdSense に変わっていました。

御社は広告のレイアウト変更の際に積極的に A/B テストを行っていると伺いました。効果的な A/B テストの実装の秘訣は何ですか?
スピード感を重視して、「このサイト レイアウトが良い」という情報が入ればすぐにテストを行います。また、データ(インプレッション)の量が重要だと考えています。例えば、 2,000 万ページビューある RBB TODAY でテストを行うときは、はっきり分かる違いが出るまで 1 日で完了します。結果に差が見えない場合は 1 週間かけてテストを行います。その他に、エンジニアに分析やテストを任せているのも特徴だと思います。技術的に詳しいエンジニアをもっとパフォーマンスに近い所で活動させるのが、企業に取って大きなプラスになると考えています。

A/B テストはどのような単位・範囲で実施されますか?
広告全枠でテストを実施するのは大変なので、収益が高い枠を選んで、まずはそこでのみ A/B テストを行います。収益が高い枠は重要なので、複数パターン用意をして、最も高かったパターンを採用することもあります。

最近行ったサイト レイアウトの変更で良かった例を教えてください。
レスポンスのスマートフォン レイアウトで、記事下のレクタングル 300x250 をソーシャルボタンの下に置いていたのですが、記事とソーシャルボタンの間に移動しました。小さな変化に見えるのですが、変更前後で 1,000 ページビューあたりの収益(RPM)が約 70 %向上しました。テストで検証後、このレイアウトを採用しています。

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Posted by 藤吉 普人, ストラテジック パートナー マネージャー
2015 年 3 月 30 日