2013 年 10 月 10 日 (木) TechBuzz 主催「アプリデベロッパーのための超勉強会」に、AdMob チーム 坂本 達夫がゲストスピーカーとして登壇しました。

「アプリデベロッパーのための超勉強会」は、スマートフォンアプリのデベロッパー限定セミナーで、約 100 名のアプリエンジニアやマーケッターが情報交換・交流を行いました。坂本の他には、インモビ ジャパン株式会社の篠原氏、Millenial Media 株式会社の樋口氏、ユナイテッド株式会社の手嶋氏が登壇。それぞれ国外のスマホ広告のトレンドや事例などを紹介しました。モデレーターはインモビ ジャパン株式会社の木ノ内氏が務めました。


インモビ ジャパン株式会社
ビジネスディベロップメント 統括部長
篠原 好孝氏
テーマ:グローバルにおけるスマホ広告のトレンドと最新事例


インモビ ジャパン株式会社
篠原 好孝氏
インド発のモバイル広告ネットワーク、インモビは、AdMob と同様に世界中に広告を配信しています。篠原氏は世界の最新のアプリの収益化事例として、以下の 4 つを具体的な事例とともに挙げました。

  1. セグメント:アプリ内課金を行なうアプリでも、課金しないユーザーだけに絞ってネットワーク広告を配信することで追加の収益を得る

  2. フォーマット:バナー広告に加え、インタースティシャル(全画面)広告やカスタム・ネイティブ広告と呼ばれるものなど、よりリッチな見せ方でユーザーの興味・感心、エンゲージメントを高める

  3. アプリ広告:アプリのカテゴリ等でターゲティングを行ない、より媒体に合ったアプリプロモーション広告を配信する

  4. ブランド広告:オーディエンスターゲティングと組み合わせることで、広告主のブランドを訴求するリッチな広告を配信する
また最近の傾向として、日本のアプリ開発者のトラフィックの海外比率が高まっているとのこと。収益性を上げるためには、グローバルな広告ネットワークに対応したメディエーションツールを使い、アドネットワーク数社を使い分けることが重要とお話されていました。


Millenial Media 株式会社
グローバルマネタイズソリューション事業部 プロデューサー 
樋口 隆文氏
テーマ:アメリカにおける最新マネタイズ情報と手法について


Millenial Media 株式会社
樋口 隆文氏
Millenial Media 株式会社は、アメリカのモバイル広告ネットワークで 、主にスマートフォンデバイスの特徴を活かしたリッチメディア広告を多く扱っています。
 樋口氏はモバイル広告の市場規模が日本の約 2 倍あるアメリカの事例に基づき、スマートフォン上のリッチメディア広告で収益を上げる秘訣として以下の 4 点を強調されました。

  1. 全画面広告の導入:ユーザビリティを考慮し、アプリの立ち上げ時やコンテンツの最終ステップに少しずつ導入するのが一般的です。リッチメディア広告を配信するにはほぼ必須といえます。

  2. ユーザー情報:より精緻なターゲティングに役立つユーザー情報をアプリで取得することで、単価の高い広告が見込めるようになります。特に今後 O2O (Online to Offline) の広告が増えると、ユーザーの位置情報が重要になってきます。

  3. 広告枠の整備:リッチメディア広告の広告主にとっては、ユーザーが広告に触れ、深く関与することが非常に重要です。アプリ開発者は、広告枠がユーザーの興味・感心を惹き、積極的に関わってくれるような広告配置を工夫しなくてはなりません。

  4. タブレット:よりリッチなクリエイティブが配信できることと、Wi-Fi でアクセスする人が多いということから、タブレットへの広告配信が可能な媒体に対する広告主からのニーズが非常に高まっています。


グーグル株式会社
オンラインパートナーシップグループ モバイルビジネス ストラテジスト
坂本 達夫
テーマ:アプリのマネタイズ ー広告モデルはもう古い!?ー


グーグル株式会社
坂本 達夫

 坂本は、日本市場におけるアプリビジネスの競争の激化を背景に、今後アプリビジネスを持続するためには以下の 3 点が重要と話しました。

  1. 海外展開:日本のアプリディベロッパーは他国と比較してもクオリティが高いアプリを作っているので、海外で成功するポテンシャルは大きいです。海外で人気なコンテンツの研究、多言語対応、海外のパートナーとの提携などを検討して欲しいです。

  2. 収益ラインの複線化:単にアプリの中に広告を掲載するだけでなく、アプリ内課金や有料アプリ販売等のマネタイズ方法と組み合わせたり、アプリと連動した自社サイトを作ったりといった成功事例が増えています。今後の主流になるかもしれません。

  3. プロフェッショナルの協業:海外展開や、複数の収益化方法の実現などが進むと、アプリの企画・コーディング・ビジネス開発といった各分野に特化したプロが必要になります。個人や社内リソースのみではなく、外部のパートナーとの協業も有効なやり方です。


ユナイテッド株式会社
取締役 兼 執行役員/メディアカンパニー カンパニー長 
手嶋 浩己氏
テーマ:CocoPPa 1,500 万ダウンロードまでの道のりと、今後の世界展開について


ユナイテッド株式会社
手嶋 浩己氏
ユナイテッド株式会社が展開する、スマートフォンのホーム画面を可愛くする着せ替えコミュニティアプリ「CocoPPa」。9 月末までに 1,500 万ダウンロードを達成した経緯や、海外展開の体験談をお話いただきました。
 成長の要因は「他に同じようなアプリが無かったから」とのことですが、その他にもソーシャルメディアや動画サイトを活用した口コミを促進する施策や、メディア露出を高めるための取り組みについても発表しました。
 9 月に行なったリニューアルを経て、現在は海外展開の促進と、広告以外のマネタイズの開発を行なっているそうです。今後の更なる成長に期待です。

4 人のゲストスピーカーによる講演後は交流会が行われ、アプリ開発者の皆様・講演者が活発に意見交換などを行いました。



いかがだったでしょうか。今後も Google AdMob チームが主催・登壇するセミナーやイベントがある場合は、Google+ の AdMob Japan (公式)コミュニティにてご案内します。是非コミュニティにご参加ください!

また、今回登壇した広告ネットワークインモビと Millenial Media はどちらも AdMob メディエーションを通じてお使いいただくことが出来ます。AdMob メディエーションで利用可能なネットワーク一覧をご覧ください。

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Posted by 坂本 達夫 -AdMob チーム

2013 年 10 月 16 日