月間 3,800 万 PV 以上をほこるシネマトゥデイは、映画スターのニュースやインタビューなどを提供する人気映画サイトです。専属のライターが海外の映画祭で取材した記事を掲載するなど、独自のコンテンツが魅力です。2011 年 10 月 にモバイル専用サイトを作成し、現在、シネマトゥデイではモバイルからのトラフィックが半分に迫ろうとしています。モバイル専用サイトを作成した経緯や、その効果について、代表取締役社長の下村 誠氏に伺いました。


モバイルでユーザーが見る以上、
マルチ スクリーンに対応したサイトを作らない
という選択肢はありませんでした。

シネマトゥデイ
代表取締役社長
下村 誠氏
2 年前にマルチ スクリーンに対応したウェブサイトを構築し、現在ではトラフィックの約半分がモバイルからによるものです。AdSense の収益でいうと、PC サイト とモバイル サイトでは 6:4 程です。マルチ スクリーン対応サイト構築前は、モバイルからのトラフィックによる収益は全体の 20% ほどでした。 当初は、モバイルに最適化したサイトを構築することで PC サイトのユーザーがモバイルに移り、収益性の高い PC サイトのページビュー(PV)が落ちてしまうことによって、全体的な収益性は落ちてしまうだろうと覚悟していました。それでも、マルチ スクリーン対応サイトを作らないという選択肢はありませんでした。モバイルでユーザーが見る以上、モバイルで見やすいようにするしかないと考えていました。



現在モバイルからのトラフィックが半分以上に迫っています。
PC には何の影響もなかったどころか、
プラスだったかもしれません。

 しかし、実際はユーザーがモバイルにアクセスした分 PC のトラフィックが減ることはなく、PC だけでウェブサイトを見ていた人が、加えてモバイルからもサイトを見てくれるようなったのです。PC サイトの PV に、モバイルの PV がプラスされているようなイメージですね。


モバイル サイトを作成するときは、「指で操作する」
という操作性の違いを常に意識することが大事です。

 メニューやリンクの表示方法などのユーザー エクスペリエンスは常に試行錯誤していますが、モバイル サイトを閲覧するユーザーは「指」を使って操作していると意識することが大切だと思います。画像が小さかったり、小さい文字のテキストにリンクが貼ってあったり、リンクが並んでいると指でタップしづらくなります。間違ってリンクをタップしてしまう可能性もありますので、気をつけなければなりません。





読み込みのスピードと AdSense 広告の実績は比例します。

モバイル デバイスは特にそうですが、読み込みが速ければ速いほど収益も出るし、ユーザーも広告主も喜びます。そのため記事ページの HTML をキャッシュ サーバーに置くことにし、ページが表示されるまでの時間が約半分になりました。それが大きな要因となり、PV が約 20% 増え、収益面でも約 10% 増えたと判断しています。ユーザー目線で考えた結果、広告収益の増加に結びつきました。


記事内のコンテンツに関しては、文字数に気を使っています。
ユーザーにとって読みやすいような長さ
に収めることを意識しています。

  文字数にも気を使っています。シネマトゥデイのモバイル専用サイトは、メイン コンテンツが 1 スクロール以内で、その他の情報を合わせても 3 スクロール程度で記事が完結するようにデザインしています。社内でモバイル デバイスで記事を読む時に 1 画面に収まっていた方が読みやすいと判断し、最近掲載を開始した映画批評についても当初は 300 文字程度というガイドラインで進めていました。ただ、どうしても記事が長くなるケースも出てきたため、現在は最大 500 文字というリミットで、それ以上登録できないようにプログラムを変更し、ユーザーに読みやすい長さにおさめることを意識しています。


昨年の夏からモバイルによるアクセスが
どんどん伸びていると実感があります。

 2012 年の夏からモバイルによるアクセスがどんどん伸びていることを実感しています。今後もまだまだ伸びると感じています。また同時に懸念されるのが、もうすぐ PC からのアクセスが落ち始めるのではないかということです。


マルチ スクリーンへの対応を迷われているサイト運営者の方へ

 モバイル デバイスでユーザーが見る以上、モバイルで見やすいようにするしかないと思います。必ず世の中は変わるので、新しいものはいつかはやらざるを得なくなる。であれば、早く対応した方が良いのではないでしょうか?

Posted by Chitoshi Shimizu - AdSense チーム

【関連サイト】
マルチ スクリーンとは?
マルチ スクリーンへの対応シリーズ第 1 弾

2013 年 11 月 15 日